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? BCG接種の技術評価。
? 結核対策の組織化、コミューン段階での結核対策の組織。
(4) コミューン
コミューン・ヘルスポスト:所長および1名の保健要員(合計5〜9名の中から、「社会病」担当としてレプラ、甲状腺病、トラコーマなどとともに結核を扱う)は、そのコミューンの結核対策業務を担当する。ここには3種の機能がある。
? 3週問以上にわたる咳痰有症者を見いだして地域段階に喀痰検査のために紹介する。
? 地域段階の指示のもとに監督下外来治療を実施する。
? 12ヶ月未満乳幼児のBCG接種(1989年からはEPIに委譲)。

 

このようにして全国には、地域保健要員、医師(770人)、医介補(4,077人)、検査技師(589人)がそれぞれの立場で結核対策に従事している。これらのなかで結核対策業務に専従しているのは、中央・県まで、郡・コミューンは他の感染症とともに結核を担当している。
このように最末端のコミューン・レベルまである程度の専門性をもっていることは他国と比して特徴的である。
結核病床は1996年現在で4,048床あり、この数年で徐々に減少しつつある。国の計画では結核治療は外来治療が中心であるが、実際にはかなり入院治療が行われていることはこの数字からも確かである。入院の適応や原則は定かでない。救急・全身状態悪化への対応は当然であろうが、短期化学療法例なども優先されるようである。また病院の施設は結核要員の訓練にも活用されている。

 

薬剤・その他の資機材の供給の系統は複雑である。
通常の資機材(標準レジメンに用いる大部分の抗結核薬も)は保健省(本省)が一般保健サービスのものと同様に業者から買い上げて県に供給し、ここから郡以下に供給される。一部の設備等は県人民委員会を通して大蔵省からも供給されることがある。RFP,PZA,EBのような薬剤は大部分がオランダ(結核予防会)の供与であるが、これは結核研究所を通して県結核センターへ、そこから郡に引き渡される。他の非政府団体からの寄贈等の場合も結核研究所を通して供給が行われている。

 

4) 結核患者発見
ベトナムの結核患者発見は、呼吸器症状有症状者に対する喀痰塗抹検査による受動的発見を原則とする。菌陰性例も治療されることがあるが、原則として県段階でレ線検査を受けるものとする。その割合は全患者の10%を超えない。

 

 

 

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